tingdo

GTDという方法

Getting Things Done、実践のためのまとめ

GTDは、David Allenがつくった仕事の進め方です。中心にある考えは一つ。頭の中にあるものを全部外に出して、信頼できるシステムに預けること。その仕組みを説明します。

回っているからといって、それが最良のシステムだとはかぎりません。信頼できるシステムであるためには、それが邪魔をしないことが条件です。システムが求めてくる余計な判断、どこまでやればいいのかわからない見直し、手間のかかる書き留め。その一つひとつが、注意にかかる小さな税です。方法が仕事で、システムは金づちです。方法がどこでも通じるからといって、システムが何でもいいわけではありません。何週間かたつと、その引っかかりは積み重なって、節約する以上の力を食うシステムになります。GTDが初めてで、このページが一度に多すぎると感じるなら、用語を飛ばした入口があります。続くToDoリストの作り方へ。

五つの段階

GTDは五つの段階でできています。順番にたどり、それを繰り返します。

1

収集

気になっていることを、すべて書き出します。タスク、思いつき、覚えておきたいこと、引き受けた約束。全部を頭の中から出して、一か所に集めます。受信箱です。決まりは一つだけ。今書き留めて、どうするかはあとで決めます。

In tingdo: 書き留めるのは、一つの入力欄からです。+とタイトルを打って、enterを押します。それだけです。タスクは受信箱に入ります。プロジェクトも、コンテキストも、期限も、その場で足せますが、どれも必須ではありません。

2

見極める

受信箱を、一項目ずつ見ていきます。それぞれについて尋ねます。これは行動が必要か。必要なら、次にとるべき具体的な行動を一つ決めます。必要でないなら、選択肢は三つです。関係ないものは捨てる、あとでやりたくなるかもしれないものはいつかやる・たぶんやるのリストへ、取っておく価値のある情報なら資料としてしまう。資料はタスクではありません。プロジェクトを支えるメモや書類や情報であって、行動のリストを混ませるものではありません。見極めの目的は、漠然としたものを、はっきりした次の一歩か、はっきりしまわれた資料のどちらかに変えることです。

In tingdo: 受信箱を見極めるときは、各項目に状態をつけます。次にとるべき行動、Queue、連絡待ち、日付つき、いつかやる・たぶんやる、資料のどれかです。資料にした項目はプロジェクトのメモになります。システムの中に残り、属するプロジェクトの中では見えますが、行動のリストには決して現れません。tingdoがタスクと資料を一か所に置きながら混ぜずにいられるのは、この仕組みのおかげです。

3

整理

見極めた項目を、それぞれあるべき場所に置きます。次にとるべき行動は、次にとるべき行動のリストへ。コンテキストごとにまとめます。パソコンの前でできること、電話が要ること、外での用事。複数の段階が要る成果はプロジェクトになります。動かせない期限のあるものには日付をつけます。それ以外は、緊急度ではなくコンテキストで整理します。

In tingdo: tingdoは、GTDが説くとおりに、次にとるべき行動をコンテキストで整理します。優先度の段階はありません。GTDでは、優先度はコンテキストと、そのときの体力と、使える時間から生まれるものであって、数字や色から決まるものではありません。tingdoはこの原則に従います。パソコンの前にいるなら、@computerのタスクが見えます。次に何をするかを決めるのは、アプリではなく、あなたです。

4

見直す

週に一度、週次レビューをします。すべてのプロジェクトをたどって、それぞれにはっきりした次にとるべき行動があるかを確かめます。いつかやる・たぶんやるのリストを眺めます。受信箱を完全に空にします。システムを信頼できる状態に保つのは、この週次レビューです。これがないと、リストを信じられなくなり、また頭の中で覚えておくようになります。

In tingdo: 週次レビューは、案内つきで一段階ずつ進みます。アプリが各段階を連れていきます。受信箱を空にし、動いているプロジェクトをすべて見直し、そのQueueをたどり、連絡待ちを確かめ、いつかやる・たぶんやるを眺める。先へ飛ばすことはできません。一度に一つずつです。

5

実行

ここからが仕事です。次にとるべき行動のリストを、今いる場所と手元の道具で絞り込んで見ます。一つ選んで、やります。やっていないことへの後ろめたさはありません。システムがすべてを持っているからです。見極めと整理のときに、もう決めてあります。あとは動くだけです。

In tingdo: 最初の画面が、コンテキストごとにまとまった次にとるべき行動のリストです。今日の画面も、カレンダーも、期限切れの数もありません。アプリを開けば、今いる場所で今できることが見えます。

GTDの見極めの流れ図

受信箱に何かが入ったときの、考え方の順序です。一度に一つずつ尋ねていき、その項目にはっきりした居場所ができるまで続きます。

受信箱に入った項目 判断 行動が必要か いいえ ごみ箱・資料 いつかやる・たぶんやる はい 判断 2分で終わるか はい その場でやる いいえ 判断 複数の段階が必要か はい プロジェクトをつくり、次に 次にとるべき行動を決める いいえ 判断 自分がやるべきか いいえ 人に任せる (連絡待ち) はい 判断 決まった日が必要か はい 日付を決める いいえ 入れる先 コンテキスト付きの次にとるべき行動

In tingdo: 受信箱を見極めるときに起きているのは、これです。各項目に状態がつき(次にとるべき行動、Queue、連絡待ち、日付つき、いつかやる・たぶんやる、資料)、必要ならプロジェクトとコンテキストもつきます。流れ図が考え方で、状態がその結果です。

主な用語

受信箱

すべてが最初に入る場所です。まだ見極めておらず、仕分けても分類してもいません。受信箱は一時的な置き場であって、やることのリストではありません。目標は、定期的に空にすることです。

In tingdo: 新しいタスクは、書き留めるときに状態をつけないかぎり、すべて受信箱から始まります。週次レビューは、受信箱をゼロにするところから始まります。

次にとるべき行動

何かを前に進めるために、実際にとれる次の一歩のことです。「イベントを計画する」ではなく、「会場に電話して空きを聞く」。具体的で、実際にでき、あいまいさがありません。

In tingdo: 次にとるべき行動は、このアプリの中心です。最初の画面には、状態が「次」のタスクだけが、コンテキストごとに並びます。どのプロジェクトにも少なくとも一つの次にとるべき行動が要ります。なければ、止まっているものとして印がつきます。

プロジェクト

終わらせるのに一つ以上の行動が要るもののことです。「台所の蛇口を直す」は一つの行動かもしれません。「台所を改装する」は、たくさんの次にとるべき行動を持つプロジェクトです。

In tingdo: プロジェクトは入れ子にできます(サブプロジェクト)が、プロジェクトの中のタスクは常に平らです。タスクにサブタスクが要るなら、それはサブプロジェクトを作る合図です。こうしておくと物事が簡単なままで、見えない複雑さが生まれません。

責任の領域

プロジェクトの一つ上には、暮らしと仕事の中で自分が責任を持っている部分があります。仕事、健康、住まい、お金、面倒を見ている人。どれも終わらせる成果ではなく、保ち続けるものです。抜けているプロジェクトが浮かび上がるのは、これを読み返したときです。ある領域で自分に課している基準を見て、それを支える仕事が何も動いていないことに気づきます。

In tingdo: 領域はプロジェクトをまとめます。一つのプロジェクトが複数の領域に属していてもかまいません。それぞれの領域は、自分の言葉で書いた基準を持ち、しまったメモを持ちます。行動は持ちません。領域のレビューは別にあり、領域ごとに一つだけ尋ねます。ここに足りないものはないか。

責任の領域の仕組み

高度

GTDは、プロジェクトと行動だけでなく、高度でも約束を整理します。滑走路にあるのは次にとるべき行動、今日やることです。プロジェクトは3000メートル、その一つ上です。責任の領域は6000メートル、プロジェクトが支えるべき続いている責任です。その上も高度は上がり続けます。9000メートルには一年から二年先の目標、12000メートルにはもっと長い展望、そして15000メートルには、そもそもなぜこれらが大事なのかを決める目的と価値観があります。どの層も、その下の層を絞り込みます。

In tingdo: tingdoが受け持つのは、滑走路、プロジェクト、責任の領域です。はっきりした次にとるべき行動がぶら下がる高度です。目標も、展望も、目的も、何に取り組むかを決めるうえで大事ですが、タスクのリストではありません。tingdoはそれらを、機能ではなく、ノートと静かな一時間に任せています。

高度のはしごを見る

コンテキスト

どこで、何を使ってそのタスクができるのかを示すタグです。例えば、@computer、@phone、@errands、@home。パソコンの前に座ったら、@computerで絞り込んで、今できることをすべて見ます。

In tingdo: コンテキストは一級の存在です。次にとるべき行動を一度のタップでコンテキストごとに絞り込めますし、検索の欄で#を打てば、どのコンテキストの画面にも飛べます。

いつかやる・たぶんやる

やりたくなるかもしれないけれど、まだやると決めていないものを置いておく場所です。思いつき、憧れ、今は手をつけられないこと。このリストは週に一度眺めて、動かす準備ができたものがあるかを決めます。

In tingdo: タスクにもプロジェクトにも、いつかやる・たぶんやるの状態を持たせられます。ふだんの流れからは外れていて、週次レビューのときにだけ出てきます。

Queue

プロジェクトを最後まで考えたあと、次にとるべき行動になるのは最初の一歩だけです。残りは決まってはいるものの、まだ手をつけられません。そのあとに来ることの計画です。GTDでは、これはプロジェクトの補助資料に置かれます。今実際にできることと張り合わないためです。

In tingdo: Queueは、そのあとの段階のための専用の状態です。それぞれが自分のプロジェクトの中にあり、ドラッグして決めた順番のまま並び、引き上げるまでは次にとるべき行動に出てきません。Queueは決まっていて待っている状態、いつかやる・たぶんやるは決まっていない状態です。

Queueの仕組み

連絡待ち

誰かに任せたタスクや、外の出来事を待っているタスクです。自分では動かせませんが、こぼれ落ちないように把握しておく必要があります。週次レビューには、連絡待ちをすべて確かめる専用の段階があります。

In tingdo: 連絡待ちは専用の状態です。これらのタスクは次にとるべき行動のリストからは隠れていますが、週次レビューには専用の段階があるので、確認を忘れません。

日付つき

動かせない日付を持つタスクもあります。会議、提出の期限、予約。GTDでは、これらは行動のリストではなくカレンダーに入ります。決まった時刻に起きるものなので、次にとるべき行動と張り合いません。

In tingdo: tingdoには、動かせない日付を持つタスクのための日付つきの状態があります。日付つきのタスクは、次にとるべき行動のリストとは分けられています。期限は任意で、本当に時間に縛られた約束のためだけにあります。自分でかける圧力のためではありません。

期限

GTDでは、ほとんどのタスクに期限はありません。期限とは、外から来る動かせない制約のことです。納税の期日、契約の満了、飛行機の出発。要らないタスクに作り物の期限をつけると、守れなかったときに後ろめたさが生まれます。信頼できるシステムがすべきことの、正反対です。

In tingdo: 期限は任意です。タスクに本当に動かせない日付があるときに、つけられます。日付をつけるよう促す表示も入力欄もありません。このアプリは遅れているものを数えません。ほとんどのタスクは遅れているのではなく、ちょうどよいときを待っているからです。

日付を中心にしたタスク管理がうまくいかない理由

資料

行動には結びつかないけれど取っておきたい情報のことです。会議のメモ、口座番号、手順、役に立つリンク。GTDでは、資料は行動のリストとは別にしまわれます。流れを混ませないためです。

In tingdo: 資料はプロジェクトの中でタスクと並んでいますが、見た目がはっきり違い、行動のリストからは隠れています。検索の欄で*を打てば資料のメモを作れます。+でタスクを作るのと同じです。一つのメモが、同じプロジェクトの複数のタスクを支えることもあります。

タスクとメモが一緒にあるべき理由

週次レビュー

システム全体をつなぎとめている習慣です。週に一度、すべてのプロジェクトを見直し、受信箱をゼロまで見極め、連絡待ちを確かめ、いつかやる・たぶんやるを眺めます。30分から60分ほどで、システムを信頼できる状態に保ちます。

In tingdo: 週次レビューは案内つきです。アプリが各段階を順に出し、先へ飛ばさせません。健全なプロジェクトはさっと確認するだけ。止まっているプロジェクトは、先へ進む前に判断が要ります。

繰り返しのタスク

GTDは、繰り返し起きる約束を週次レビューで扱います。また必要になったことに気づいて、そのための次にとるべき行動を新しく作ります。デジタルのGTDの道具には、便利さのために自動の繰り返しタスクを足しているものもあります。

In tingdo: tingdoに繰り返しのタスクはありません。これは意図した選択です。自動の繰り返しタスクは見直されないまま積み上がり、期限で動くアプリと同じ後ろめたさを生みます。代わりに、また必要になったことに気づいて、新しい次にとるべき行動を作る場所が、週次レビューです。

GTDはどこまで上がるのか

五つの段階は滑走路で動きます。GTDはその上にもう一本の軸を持っています。高度です。その約束がどこまで届くのかを表します。

15000 m 目的
12000 m 展望
9000 m 目標
tingdoはここまで
6000 m 責任の領域
3000 m プロジェクト
滑走路 次にとるべき行動

In tingdo: tingdoが受け持つのは、滑走路、プロジェクト、責任の領域です。はっきりした次にとるべき行動がぶら下がる高度です。目標も、展望も、目的も、何に取り組むかを決めるうえで大事ですが、タスクのリストではありません。tingdoはそれらを、機能ではなく、ノートと静かな一時間に任せています。

GTDがうまくいく理由

多くの仕事術は、もっとうまく優先順位をつけろと言います。GTDのやり方は違います。覚えておくことと決めることの負荷を、頭から取り除きます。すべてが書き留められ、見極められ、整理されていれば、頭は目の前の仕事に向かえます。David Allenはこれを「水のような心」と呼びました。向かってくるものに、ちょうどよい力で応え、また静けさに戻る状態のことです。

多くのタスク管理アプリは、この原則に逆らっています。後ろめたさの輪はどこから始まるのか。

持ち歩けるように

五つの段階と見極めの流れ図をまとめたGetting Things Doneの要約です(英語)。画面で読むこともできますし、PDFとして保存して、印刷して、壁に貼っても、デスクトップに置いてもかまいません。

方法に従うGTDのアプリ

tingdoは、この五つの段階を土台につくられています。受信箱、次にとるべき行動、プロジェクト、コンテキスト、週次レビューは、どれも一級の機能です。GTDの慣習から外れているところは、意図して外しています。優先度の段階がないのはGTDに要らないからで、繰り返しのタスクがないのは週次レビューを損なうからで、カレンダーの画面がないのは、次にとるべき行動が時間ではなくコンテキストで整理されているからです。結果として残るのは、方法を信じている、静かで簡素な道具です。

tingdoをGTDのタスク管理アプリとして見た全体像もあります。どの機能が五つの段階のどこに当たるのかがわかります。

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もっと深く知りたい方へ

決定版は、David Allenの本『Getting Things Done: The Art of Stress-Free Productivity』です(邦題『はじめてのGTD ストレスフリーの整理術』)。このページはその中心にある考え方のまとめです。本のほうは、実践の仕方、進んだ使い方、方法の背景にある考え方まで、はるかに深く踏み込んでいます。